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2025年上半期ベストバイ | Craft Talks by Aika & Natsuko #5

連載「Craft Talks by Aika & Natsuko」は、renacnatta(レナクナッタ)代表・大河内愛加と、金彩作家・上田奈津子が伝統工芸やものづくりについて、いつもとは違う視点で、すこし気軽にトークを繰り広げる企画です。

第5回目は、「2025年上半期ベストバイ」がテーマ。ふたりが2025年上半期で買って良かったものを持ち寄り、その魅力について語ります。

また、このトークはレナクナッタ公式Instagramで配信されたライブ配信を文字の形で残したものになります。実際の配信が気になる方は[こちら]からご確認ください。


あいかのベストバイ「マザーハウスの財布」

あいか:第5回のCraft Talksが始まりました。今日のテーマは「2025年上半期ベストバイ」です。私たちが2025年の1〜6月で、これは良い買い物だったなというアイテムを紹介していきます。

早速紹介すると、私のベストバイはこのマザーハウスさんのお財布です。私は学生の時からずっとイタリアの某ブランドの財布しか使ってこなかったんです。イタリアに住んでいた時は現地で少し安く買えるということもあって、大好きなブランドだったので、ずっとそれを買い替えて使い続けてきました。

日本のブランドで、そこまで値段が高くないお財布を買うのは初めてなんです。使っていた財布がボロボロになってきて、しかも真っピンクだったから金運が下がっているような気もして、買い替えたいなと思っていました。

なつこ:これを目掛けて行ったわけではなくて、偶然の出会い?

あいか:そうなんです。フラッとマザーハウスさんのお店に入って、色を見てみようと思って見ていたら、このグラデーションが目に留まって。やっぱり手作りだから、色の出方が違って、ピンクが濃かったりとそれぞれに個性があって。店員さんがたくさん出してくれて、もう買うしかないという気持ちになって購入しました。

なつこ:これは何の革?

あいか:これはヤギ革です。最初から柔らかくて、ずっと牛革を使っていたけど、こちらの方が柔らかい。中もバイカラーになっていて可愛いんです。私、服はピンクをあまり買わないけれど、小物はピンクを求めてしまうんですよね。

なつこ:全部黒だったら、そういうアクセントを求めたくなりますよね。

あいか:そうそう、よく驚かれるんです。「ピンクの財布を使うんですね」って。でも小物は結構好きで、バッグもピンクが好きなんです。これは「桃色」という色で、桃は魔除けの花と言われているそうで、そこから桃色にしているみたいです。これは日本の四季を表現した「イロドリシリーズ」というものなんです。マザーハウスさんは結構好きなブランドではあったんですが、購入したのは今回が初めてでした。

あとマザーハウスさんは「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げていて、生産や素材開発を全て現地で行っています。これはバングラデシュで作られているものなんですが、マザーハウスさんの素晴らしいところは、現地の発展途上国といわれる場所にも可能性を見出して、働いている人たちの福利厚生もしっかり考えているところです。健康診断を福利厚生で整えるなど、そういった取り組みをしている会社なので、私はとても応援したいと思っています。

なつこ:じゃあ会社としても推しているブランドの製品なんですね。

あいか:そうなんです。マザーハウスの副社長である山崎大祐さんという方を経営者として非常に尊敬していて。2年前に半年間、山崎さんが運営している経営ゼミに東京まで月イチで通っていました。山崎さんは事業を大きくするということも大事にしつつ、思いやパッションを大切にしてくれる人で、それを元にアドバイスや展開の仕方を紐解いてくれました。集まる人も山崎さんのファンのような熱い人が多く、ソーシャルグッドな事業をやっている人が多かったので、その出会いも含めて、すごく良いセミナーでした。

なつこ:そういう背景や自分に近い何かがある場合って、その物に対する考え方も変わりますよね。

あいか:そうですね。私もなつこさんとの取り組みもそうですが、やはりどういう人が作っているかを大切にしているから。マザーハウスもそういう感じで、お客さんを実際にバングラデシュにツアーで連れて行ったりしていて、そういうのもすごいなと思う会社のお財布です。そして、やっぱりピンクを買っちゃった。

なつこ:いい色ですね。きつくない、使いやすい感じの色。

あいか:柔らかいから使いやすいし。海外ブランドだとお札があまり入らなかったりするんですが、これはたくさん入るのでストレスがないです。でも…4月に購入して、使い始めるまで1ヶ月かかりました。

なつこ:ええっ!?

あいか:使い始める日にこだわっちゃって(笑)。新しいお財布は、おろす日の2週間前から新札をたくさん入れると金運がアップするという験担ぎをやってみたんです。それで、お金をおろしたり、一粒万倍日にこだわったりしてたら、1ヶ月経ってました。

なつこ:すごい、そういうのにこだわるんだ。

あいか:初めてやってみました。父に「やったらもっと増えるよ」って言われて。普段入れている金額の3〜4倍入れるといいみたいで、10万円くらいお札を用意して入れました。


なつこのベストバイ「骨董市の器」

なつこ:私のベストバイは、毎月、住んでいる近くの北野天満宮で25日に開催される骨董市で購入したものです。簡単に言うと蚤の市みたいなもので、アンティークのものからガラクタまで、いろんなものが売られています。前回のCraft Talksで、水無月を盛り付けていたこのお皿も、この骨董市で購入しました。

あいか:素敵。涼しげで、水無月にぴったりでした。

なつこ:調べてみたところ、加藤五陶という作家さんのもので、結構古いもののようです。丸いお皿を買いがちなので、四角いお皿って家にあまりないんですが…でもこれだと普通の食事の時も使えるし、お菓子を盛り付ける時にもとても良いんです。

なつこ:もうひとつはこちらです。これは確か明治時代のものだったと思います。意外とこの市場では明治や大正時代のものがとても多くて、私がいつも行っているお店では江戸時代後期のものなども結構あります。アンティークのものを探している人には掘り出し物がたくさんあるので、ぜひ行ってほしいです。これも1500円くらいでした。

あいか:ええっ、安い!

なつこ:本当にびっくりするような値段もあるし。ただ、値段も何もついていない、ちょっと怪しいおじさんがやっているようなところもあるので、しっかり値段が決まっているお店で買うことをおすすめします。

あいか:観光客も多いんですか?

なつこ:多いですね。外国人の方も多いです。

あいか:私も2回くらい行ったことがあります。以前、骨董市を巡っていた時期があって。

なつこ:そうそう、聞きたかったのが、私は京都だから骨董市に馴染みがあるけれど、関西エリア以外のところでも頻繁にやっているのか不思議で。

あいか:東京にはアンティークマーケットとかあるんですが、値段が高い印象です。

なつこ:アンティークマーケットというよりは、昔からお寺や神社でやっているようなものは?

あいか:私の地元にはなかったですね。イタリアは大規模なアンティーク市が歴史あるもので月1に各地区でやっていたりして…でも、関東はあまりないですね。

なつこ:京都とかでは、大きな神社やお寺で必ずやっているパターンが多いので、この形式って他であるのかなと思いながら考えていました。そういう文化が、関東と関西では違うのかもしれませんね。

あいか:京都の骨董市は、引っ越してきたばかりの時は新鮮で。古いものが好きだったのと当時フリーランスだったから曜日も関係なく、結構いろんなところに行きました。

なつこ:すごく大きい神社で、境内のまわりを1周ぐるっとやっていたり、中ももちろんびっしりだし。1日いられるくらい、すごく楽しい場所です。

あいか:有名なのが北野天満宮と東寺と平安神宮とかですかね。

なつこ:そうそう、平安蚤の市も有名よね。京都の観光をする時に、ちょっとスケジュールに入れ込んでもいいんじゃないかなって、いつも思っています。

あいか:安いですしね、ピンキリですが。さっき言った、値段がついていない、奈良時代のとか、もっと古いものとか言われても、誰もそんなの正解が分からないみたいな、すごく怪しいところもありました。

なつこ:お店の人と会話していたら大体分かりますよね。私は必ず同じ場所でお店を開いている人のところに行って、お話を聞きながら買うんですが。

あいか:毎回その店は品揃えも結構変わるんですか?

なつこ:新しいのが仕入れられるので、行くたびに変わるかな。安心価格で時代もちゃんと書いてあるので通ってます。

あいか:このお皿は、もう結構使っていますか?

なつこ:実は、ここぞという時しか使えないんです。割れたらもう最後だと思ってしまうので。高級なものではないけど、でももう手に入らないと思うと、ちょっと使いづらくて。でも飾ってもかわいいです。


ベストバイの意味を考える

あいか:ベストバイは、ただのお買い物ではなくて、自分にとってとても意味のあるお買い物だと思うんですが、どうですか?

なつこ:去年もあいかちゃんとベストバイをやろうと言っていたんですが、お互い何も買っていないという話をしていたんですよね。結局、「これ」というものでないと買えない人たちなんだと思うんです、私たち。物が増えるのも嫌だし、長く使えるものじゃないと嫌だし、思い入れもないと嫌だし。その条件がしっかり組み込まれたものが、今回紹介したものじゃないかなと思います。

あいか:全く同感です。買ってはいるけれど、お買い物であってベストバイと言えるのかは別ですしね。だからこれは結構いいお買い物だったなと思いました。そういえば、このお財布を買って、寝かせている間に前使っていたお財布がビリッと破れたんです。まるで「私の役目は終わった」みたいに。

なつこ:ええっ、すごい!思い入れもあるし、新しいものに対しても「よし、使うぞ」という気持ちがあるからこそ、そういう不思議なことが起こるのかも。

あいか:家電でもよく言いますよね。新しいものを見ていたら壊れるって。自分でも、お店に行った時は買うとは思っていなかったし、いつもと違うブランドのお財布を買うということに結構驚きもありました。今まではラグジュアリーブランドやハイブランドでテンションを高めるという感じだったんですが、こういうものづくりや、ブランドの背景に寄り添えるようになったので、自分も変わったなと思いました。

なつこ:そういう仕事をしているから、やっぱりそうなるんだなと思いますし。私は作る側なので、作ったものがベストバイって言われるようになりたいという気持ちがやはりありますね。

あいか:本当にそうですね。レナクナッタのアイテムや、なつこさんの作品が皆さんにとっての年間ベストバイになりたいですね。そういうものづくりを私たちも頑張りたいと思います。ということで、今回のCraft Talksはここで終わりです。ありがとうございました。

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