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京都の伝統工芸「丹後ちりめん」を纏うスカートTango Chrimen Collection


renacnatta(レナクナッタ)の「Tango Chrimen Collection」は、着物生地などに使われる伝統工芸品、丹後ちりめんを使用した巻きスカートです。

臼井織物の3代目・臼井 勇人さんとコラボレーションし、「和」のイメージが強いちりめんを現代の生活に馴染むようデザインしつつ、ちりめん本来の表情の違いや風合いを楽しむことができるアイテムに仕立て上げています。


このアイテムができた背景には「ちりめんの可能性を広げたい」という思いが。臼井さんは、「Tango Chrimen Collection」についてこう語ります。

「ちりめんって、本当はもっと広まっていい生地だと思うんです。たとえば、一色で染めるとモダンになるし、他にも可能性があるはず。古風なイメージを持たれやすい丹後ちりめんをレナクナッタが使ってくれることで、産地に新しい風が吹くんじゃないかなと思っています」

今回は、ちりめんの新しい可能性を広げる「Tango Chrimen Collection」とコレクション初のアイテム「
Tango Mermaid Wrap Skirt」の魅力やラインナップ、丹後ちりめんの歴史などを紹介していきます。

従来のちりめんの印象を変える「Tango Mermaid Wrap Skirt」

「ちりめん」と聞くと、和柄をイメージするかもしれません。ですが今回のスカートはちりめんの美しさを最大限引き出せるよう、くすみカラーで染め上げた、今までのちりめんの印象とは全く違うアイテムになっています。

このスカートは、丹後ちりめんの織元である臼井織物の3代目・臼井さんとのタッグによって実現したもので、1300年以上にわたって織物が産み出されてきた丹後のちりめんと、レナクナッタのアプローチを掛け合わせて、新しい伝統を目指しています。


今回のスカートの大きな特徴のひとつは、素材にポリエステルを使っているということ。

ちりめんは、製造工程において生地を縮めることでシボと呼ばれる凹凸が現れます。従来ちりめんに使われてきた絹は、この縮める工程の後、布を広げても洗濯するとまた縮んでしまう素材でした。 しかしポリエステルの場合、一度縮んだものを広げて形状記憶できるため、極端に縮めて広げる手順を踏んだ生地ならではの表情を実現できます。

また、ポリエステルはシワになりにくく型が崩れにくい素材。自宅でも洗濯できるため、お手入れしやすく普段使いにも最適です。

さらに、スカートの形は播州織で大人気だったマーメイドスタイルを復活させました。マーメイドは全体的にしゅっとした印象ですが、歩くと裾部分だけがゆらゆらゆれる、よりエレガントな印象のスカートになっています。

今回のスカートも、今までのレナクナッタのスカートと同じく巻きスカートで仕立てているため、ウエストサイズ49〜80cmの方に着ていただくことができます。シルエットも、ウエストはキュッと、おしり部分もナチュラルにカバーしながら腰まわりのラインに沿ってきれいに見せてくれるので、下半身が気になる人もスッキリ着られるのが特徴です。


色はGreige、Rosa Corallo、Bluの3種類。ぜひお好きな色のTango Mermaid Wrap Skirtを身に纏ってみてください。

丹後ちりめんとは? 熟練の技術によって生み出される「シボ」

今回のスカートで使われている丹後ちりめんは、京都府・丹後地域を中心に生産される織物で、表面にシボと呼ばれる細かい凹凸があることが特徴です。その多くは京都などの産地に送られ、日本の着物づくりを支えてきました。

ちりめんはたて糸と、生糸を強く撚った(よった)よこ糸を交互に織り込みます。その後、精練(せいれん)という工程で糸が収縮し、よこ糸の撚りが戻ろうとする力によって、表面に細かなシボが生まれます。

YouTubeでは、ちりめんをつくる過程がわかるよう、動画でも製造風景を公開しています。

このシボによって、しなやかで肌触りのよい布となり、凹凸に乱反射した光が豊かで深みのある生地の色合いをつくりだしています。職人は、その熟練の技によって糸の合わせ方や撚り回数などを調整し、幅広いバリエーションの表情をつくり出してきました。


生地の表面の「シボ」。

また、シボができる過程で生地は約20〜30%縮みます。この贅沢な生地の使い方が、丹後ちりめんが高級と言われる理由のひとつです。

歴史と土地の風土が育んだ織物・丹後ちりめん

そもそも丹後地方は、1300年以上前の奈良時代から絹織物の産地として栄えてきた、長い歴史を持つ土地です。739年には、丹後の国で織られた絹織物「あしぎぬ」が聖武天皇に献上され、現在でも正倉院御物として残っています。

一方で、丹後ちりめんがつくられるようになったのは、江戸時代中期の1720年のこと。

元々、ちりめんの技術は中国から伝わったもので、桃山時代には堺の織工によって「堺縮緬」と呼ばれ人気を博しました。その後京都の西陣に伝わり「西陣縮緬」と呼ばれ発展し、江戸時代になると友禅染の流行と共に需要を大きく伸ばしていったのです。

そんな中、何とかちりめんの技術を学びたいと思った丹後峰山藩の絹屋佐平治(きぬやさへいじ)をはじめとする4人が立ち上がり、門外不出の秘技とされていた京都西陣の技術を持ち帰り、丹後地方全体に広まりました。

こうして広まったちりめんですが、丹後の気候と風土も、この織物に適していました。丹後は山・川・海がコンパクトに密集しており、良質な水が流れている土地。この豊かな自然環境が、織物をつくるときや、シボをつくり出す精練のときに使われる大量の水を賄ってくれていたのです。

また丹後は、秋から冬にかけて吹く「うらにし」と呼ばれる季節風により、湿気を含んだ雨が多く降る地域でもあります。この雨は、生糸にとって最大の敵である乾燥を防ぐのにも一役買っていました。

こうした歴史と気候が丹後ちりめんを育んできた結果、丹後は日本一の絹織物生産地として、1900年の第5回パリ万国博覧会に出品され銅賞を受賞したり、現在の和装用白生地織物生産において約7割の全国シェアを持ったりするほどになりました。

丹後ちりめんの新しい可能性を模索する挑戦

今回、私たちと一緒に「Tango Chrimen Collection」をつくった臼井さんは、ちりめんの面白さをこう語ります。

「他の生地であれば、織っている段階から完成した状態が想像できます。でもちりめんは、織った後に縮めてみなければ、どんな表情に仕上がるかわからない。そんな製造工程が僕は好きです」

生地を縮める「精錬(せいれん)」の工程は、ちりめんならでは。

臼井織物株式会社は、丹後で1952年に創業されました。現在では分業化が進んでいる丹後では珍しく、糸をねじり合わせる撚糸(ねんし)と、糸から織物に仕上げる製織(せいしょく)の両方を手がけています。

そんな臼井織物株式会社の3代目である臼井さんは、以前は家業を継ぐ気はなく関東で別の業界の仕事をしていましたが、お子さんの誕生を機に丹後に戻ったそうです。そして丹後ちりめんづくりに携わっていく中で、ある思いを抱くようになりました。

「ちりめんって、本当はもっと広まっていい生地だと思うんです。たとえば、一色で染めるとモダンになる。他にも可能性を広げられるはずなのに、『ちりめん』の言葉が持つ『和』のイメージが先行しすぎているんじゃないかと感じています

臼井さんはちりめんを知ってもらう「入口」を増やすべく、着物以外の可能性を探り始めます。

ちりめんはやわらかいものが一般的ですが、臼井織物ではポリエステルを強くねじり合わせた硬いちりめんをつくることができます。ポリエステルは絹よりもぎゅっと縮むので、ちりめんのおもしろさがよく伝わるのが特徴。

さらにポリエステルなら、織った生地を縮めた後に、再び広げて形状記憶できる。この工程が生み出す美しさは、絹や他の天然繊維では実現できません。この技術を活かして、カーテンやテーブルクロス専用の生地を製造したり、手に取ってもらいやすい小物なども手掛けています。

コレクション初のアイテムである「Tango Mermaid Wrap Skirt」も、ポリエステルを採用しています。レナクナッタのスカートのために改良を重ねた「二十越鶉ちりめん」は、精錬(せいれん)の際に70%も生地を縮め、ポリエステルだからこそ可能な「縮めて広げる」手順によって独特のテクスチャを生み出しています。

ちりめんの面白さを伝え、その可能性を広げる願いを込めて仕上げられた「Tango Mermaid Wrap Skirt」。臼井さんのちりめんにかける思いは、こちらの記事でも詳しく紹介しています。


そして、「Tango Mermaid Wrap Skirt」を手にとったときにぜひ見ていただきたいのは、シボによって生み出される、色合いの深みです。シボの凹凸に光が乱反射するため、光の加減によって見え方が変化し、着る時間帯によっても印象が変わります。

くすみカラーで染め上げたシンプルな生地によって、その絶妙な光のニュアンスをより楽しんでいただけると思います。

丹後ちりめんの伝統と挑戦を纏う、「Tango Chrimen Collection」。ぜひ直接手に取って、その美しさを感じてみてください。


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執筆・編集:吉田 恵理

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