2022年の振り返りと来年のこと

renacnatta代表の大河内愛加です。
2022年も残り4日となりました。今年も皆様に支えられてたくさんのアイテムを世に出すことができました。ありがとうございました。
普段、このマガジンではアイテムの紹介や職人さんへのインタビューを更新していますが、今年最後の記事では私が1年の振り返りと来年のことを少し、書いていこうと思います。
今年の振り返り
一生着られるウェディングドレス【1月】
2022年は西陣織で作った一生着られるウェディングドレスの受注からはじまりました。セットアップのドレスになっており、挙式を終えた後もトップスやスカート単体で、結婚記念日だったり、お子様の入園式だったり…人生での特別な節目で着続けてもらいたいという思いを込めたアイテムです。

このドレスの販売は過去3回行いましたが毎回好評をいただき、お客様から前撮りの写真などを送っていただいたりしてほっこりさせてもらっています。人生の大切な日のお洋服に選んでもらえることほど嬉しいことはありません。こちらは来年も、数量限定で販売する予定です。
金彩イヤアクセサリー【2, 7, 12月】
今年はデザインをがらりと変えてコンパクトな大きさにしつつジュエリー感をより意識したアクセサリーにしました。

このアクセサリーの仕様はとても気に入ってはいたのですが、金彩の技術をもっとアピールしたい!金彩の面積を広げたい!という想いから今年いっぱいで一度やめることにしました。来年からは別の小物アイテムで展開していく予定です。

どれも小さな面積にフリーハンドで細かな線で描いてもらうという…金彩作家の上田奈津子さんにはとても苦労をおかけしたアイテムでした。それでもひとつひとつ丁寧に綺麗に仕上げていただき感謝です。
久留米絣【3月】
福岡の伝統工芸であり重要無形文化財にも指定されている綿の織物、久留米絣とイタリアの華やかなコットン生地をあわせたリバーシブルスカートを春に出しました。

毎回人気のこのコレクションですが、今回ははじめてのストレートロングの形を発表。たくさんの方にオーダーいただきました。久留米絣は軽くて、扱いやすく、肌触りもとてもよいので、来年はメンズのトップスなども作っていこうかなと企画中です。昔は普段着や作業着として使われていた久留米絣。まだまだ現代においても可能性のある織物だと思っているのでさまざまな展開をしていきたいと思っています。
丹後ちりめん【6月】
今年初の試み、丹後ちりめん。ご一緒した臼井織物さんはポリエステルの糸でおり、シルクではできない大きなシボ(凹凸感)をつくり、さらにそれを形状記憶させるという、丹後ちりめんの魅力を面白く引き出すのが得意な織元さん。初めて見た時から絶対使いたいと思い、念願かなってのスカートとなりました。

丹後ちりめんという単語のもつ「和」のイメージを覆したい、という一心でデザインや色を考えました。撮影場所も臼井織物さんの工場内の使われていない一角を使わせていただき、思い入れのあるシューティングとなりました。

手捺染スカーフ【10月】
昨年に続いて同じ型をつかった新色を出しました。ネイビーとグレージュとパステルグリーンが織りなすヴィンテージ感ある雰囲気にまとめました。

手捺染は大きな台に生地を張り付けて、1枚の型で1色ずつ載せていく伝統技術。レナクナッタのスカーフでは22色とかなり多くの色を使っているのでその分モチーフの立体感も感じていただけます。来年は新色を出すかはまだ未定ですが、再来年までには22色の配色を変えて新色を出していきます。
あと、個人的に年明けに過去のスカーフ2枚を額装しようと思っています。これも完成したらSNSなどで紹介しますね。
デッドストック【9, 12月】
イタリアで仕入れたデッドストックのシルクを使ったこちらのロング&ベストセラーのスカートですが、今年は初の試みでリバーシブルではない、シルク単体の巻きスカートに仕上げました。結果、想像以上に軽いスカートができて驚きました。かさばらないので旅行の1枚にも最適です。

9月は数年ぶりに展示即売会を実施。多くの方に来てもらえて、その場でお迎えいただいて、とても賑やかな催事となりました。そのまま着て帰ってくださったお客様もいたのも印象的でした。
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こうして新しいアイテム作りに挑戦できるのも日々応援してくださるお客様のおかげです。皆さんの存在が私の自信につながり、伝統工芸やデッドストックなど光をあてるべきものに光を当て続けることができています。
来年はより精力的に日本各地の産業とものづくりをしていきますので引き続き楽しみにしていただけたら嬉しいです。
来年のこと
来年はまた新しいアイテムがたくさん出ます。これまでお付き合いのあった伝統産業とも引き続き商品開発を続けつつ、新しくご縁をいただいた伝統産業のアイテムもリリースが控えています。少し書くと、バッグ、ワンピース、日傘、メンズのトップスなどなど…アイテムとしても新しいものを準備中です。


ブランド立ち上げから「普遍的な価値を残すために」という思いはずっと変わりません。少しでも産業に貢献できるようにと商品開発に励んでいますが、まだまだ私たちの存在は小さなものです。社会に影響を与えるためには本当に大きな力が必要なんだと日々痛感しています。
今年はブランドの志に賛同してくれる素晴らしいメンバーたちも新たに加わってくれたので、その目指している大きな力となれるよう進んでいきます。
最後に
今年からレナクナッタのメディアを強化し、ものづくりの裏側や職人さんへのインタビューをレナクナッタのサイト内にまとめてきました。これは私たちにとってとても大事なコンテンツです。
レナクナッタのアイテムを纏った時にその作り手の職人さんにまで想いを馳せてもらえるような、そんなブランドにしていきたいという思いからこのマガジンを運営しています。
今年作ったコンテンツをいくつかピックアップしたので、冬休みの読書代わりにでも読んでいただけたら嬉しいです。
・丹後ちりめんの伝統と新たな可能性を纏う。Tango Mermaid Wrap Skirt【職人インタビュー】
・横浜「手捺染スカーフ」の美しき伝統をもっと身近に。Yokohama Tenassen Collection【作り手インタビュー】
・レナクナッタの「ものづくり」4つのポリシー | 伝統工芸をつないでゆくサステナブルなファッション
「Kurume-gasuri Collection」・久留米絣の伝統を纏うアイテム
・「Nishijin-ori Collection」伝統工芸・西陣織を現代のファッションに
それでは最後になりますが、本年も大変お世話になりました。みなさま、良いお年をお迎えください。
2023年も株式会社Dodiciとrenacnattaをどうぞよろしくお願いいたします。